「富士五湖で釣りをしたいけど、どの湖に行けばいいの?」——これは本当によく聞かれる質問です。富士五湖(河口湖・山中湖・西湖・本栖湖・精進湖)は車で30分圏内に固まっていますが、釣れる魚も、料金も、ルールもまったく違います。選択を間違えると、ボウズどころか現場でルール違反を指摘されることも。
山梨在住・釣り歴20年以上の地元釣り師が、バス・ヘラブナ・ワカサギの魚種別に「どの湖がおすすめか」をはっきり答えます。各湖の詳しいポイント解説は個別記事にまとめてあるので、この記事で行き先を決めてから読み進めてください。
まず結論|目的別・おすすめの湖
| 目的 | おすすめの湖 | 理由 |
| とにかく1匹釣りたい(初心者) | 精進湖 | 遊漁料無料・バスがスレていない |
| 大きいバスを釣りたい | 河口湖 | 放流量が多く太った良型。ただし難易度は高い |
| ワームを使いたい | 山中湖・精進湖 | 河口湖・西湖はワーム禁止 |
| 静かに釣りたい | 西湖・本栖湖 | アングラーが少なくプレッシャーが低い |
| ヘラブナ | 精進湖 | ヘラブナ釣り発祥の地。漁協が放流 |
| ワカサギ(サイズ重視) | 山中湖・河口湖 | ドーム船が充実。型が良い |
| ワカサギ(安さ重視) | 精進湖 | 手漕ぎボートで安上がり。ただし小型 |
富士五湖のバス釣り|湖ごとの特徴

上の写真のバス、これは私が河口湖で釣った一本です。富士五湖ではこれほどのサイズが出ますが、湖の選択を間違えると本当に釣れません。まずは料金とルールの比較から見てください。
| 湖 | 遊漁料(1日) | ワーム | 動力 | リリース |
| 河口湖 | 1,100円前後(現場1,600円) | 禁止 | エンジン可 | 可 |
| 山中湖 | 1,000円(現場2,000円) | OK | エンジン可 | 可 |
| 西湖 | 700円(現場1,200円) | 禁止 | エレキのみ | 可 |
| 本栖湖 | 800円(現場1,000円) | — | エレキのみ | 禁止 |
| 精進湖 | 無料 | OK | — | 禁止 |
※料金・ルールは改定されます(山中湖は2026年4月に値上げ)。最新は各湖の個別記事と漁協公式でご確認ください。
河口湖|大きいバス狙いならここ
漁業組合がバスを放流しており、大きく太ったバスが釣れやすい湖です。足場がしっかりしていて安全に釣りができるのも魅力。ただし釣り人の数が多くプレッシャーが高いため、難易度は高め。ワーム禁止でハードルアーの腕が問われます。

山中湖|初心者にやさしい万能湖
基本的な性格は河口湖と近いですが、ワームが使えるのが大きな違い。ただし湖畔の半分が山道なので、陸っぱりのポイントは河口湖より少なめです。エンジンボートも使え、無料駐車場も多い間口の広い湖。

西湖|静かに良型を狙う
大きいバスもいますが、河口湖・山中湖ほどではありません。その代わりマイナーなイメージでプレッシャーが低く、難易度は低め。クリアウォーターでワーム禁止・エレキのみという、静かな環境が守られた湖です。

本栖湖|最深・最クリアの秘境
性格は西湖に近く、アングラーが少なめ。富士五湖で最も深く(約121.6m)透明度も随一です。目立つストラクチャーが少ないので、地形変化を読む釣りになります。

精進湖|サイズは小さいが数は出る
バスのサイズは30cm級と小さめですが、エサが豊富でバスの数自体は多い湖。そして富士五湖でこの湖だけバス釣りが無料です。アングラーが少なくバスがスレていないので、初めての1匹には最適。

【重要】バスのリリースは湖によって違います
ここは間違えると法令違反になるので、必ず押さえてください。山梨県内水面漁場管理委員会指示により、山梨県の公共用水面ではブラックバス・ブルーギルのリリースが原則禁止されています。
ただし例外があり、バスの漁業権が認可されている河口湖・山中湖・西湖の3湖は対象外=リリースOK(ラージマウスバスに限る)。裏を返せば、漁業権のない精進湖・本栖湖ではリリースできません。「無料だからリリース禁止」なのではなく、漁業権の有無で決まっていると理解してください。
- リリース可:河口湖・山中湖・西湖(ラージマウスバスのみ)
- リリース不可:精進湖・本栖湖など、上記以外の山梨県内の公共用水面
- スモールマウスバスは県内全域でリリース禁止(生きたままの持ち出しも不可)
- バス・ブルーギルを生きたまま湖から持ち出すのは外来生物法で禁止(全湖共通)
なお、この河口湖・山中湖・西湖の漁業権は10年ごとに更新されるもので、2023年末の期限を迎えた際も無事更新され、2024年からの10年間も継続が認められています。ただし放流量は減少傾向にあり、山梨県は今後も減らす方針を示しています。私たち釣り人がルールを守れるかどうかに、この先の10年がかかっています。
富士五湖のヘラブナ釣り|精進湖一択

上の写真は私が精進湖で釣ったヘラブナです。年齢層が高めの釣りというイメージがありますが、最近は若い方も増えています。ヘラブナは富士五湖のどこにでもいる魚ですが、やるなら精進湖一択です。理由は3つあります。
- 精進湖はヘラブナ釣り発祥の地で、漁協が放流している
- 他の湖では、何時間もエサを打ち込んで作ったフィールドをバス釣りの人に荒らされる可能性が高い。精進湖はバスボートで釣る人がほとんどいないので静かに釣れる
- ヘラブナ釣りは周りの人と協力しながら行う釣り。精進湖はヘラ師が多いので、その人たちと協力しながら楽しめる
なお精進湖のヘラブナは有料で、遊漁料は一般700円(放流バッジ持参者は600円)。ボートは3,000円前後です。バスと違ってこちらは遊漁料がかかる点にご注意を。
富士五湖のワカサギ釣り|予算で選ぶ

上の写真は山中湖で1時間釣ってこの量。ワカサギも富士五湖のどこでも釣れる魚です。「凍った湖に穴を開けて釣る」イメージがあるかもしれませんが、富士五湖は凍りません。そのため各湖にあるドーム船を利用するのが基本になります。暖房が効いた船で釣れるので、初心者や家族連れでも快適です。
選び方はシンプルで、予算とサイズのどちらを取るかです。
- 大きめのワカサギを釣りたい(お金がかかってもいい)→ 山中湖・河口湖。ドーム船が充実
- とにかく安く釣りたい(サイズは問わない)→ 精進湖。手漕ぎボートなら安いうえ、友達と2人で貸切にできる。ただしサイズは小さめ
- 西湖・本栖湖はワカサギ釣りにはあまりおすすめしません
その湖にしかいない魚を狙うのも面白い
ここまで紹介したバス・ヘラブナ・ワカサギは、富士五湖のどこでも釣れる魚です。逆に、その湖にしかいない魚もいます。たとえば西湖や本栖湖のヒメマス、ブラウントラウトなど。人気魚種を五湖すべてで狙い比べるのも、その湖の主を狙うのも、どちらも富士五湖ならではの楽しみ方です。
また、富士五湖から足を延ばすなら、箱根の芦ノ湖もおすすめ。日本で初めてバスが放流された湖で、ワーム禁止をはじめとする独自ルールが良型を育てています。

釣りの疲れを癒す温泉
河口湖には富士山が見える露天風呂もありますが、私のおすすめは富士山温泉です。富士山は見えませんが、さまざまな効能のお風呂がそろっていて疲れが吹き飛びます。釣りをしている間はずっと富士山を見ているわけですから、風呂では「癒し」を優先してもいいはず。温度はぬるめで長時間の入浴もできます。ただし近くに富士急ハイランドがあるので、土日祝は混雑が予想されます。
まとめ|湖を選べば、釣果は変わる
富士五湖は隣り合っていても性格がまるで違います。初めての1匹なら精進湖、サイズなら河口湖、ワームを使うなら山中湖、静かに釣るなら西湖・本栖湖。目的に合った湖を選ぶことが、いちばんの近道です。
そして、どの湖にもそれぞれのルールがあります。遊漁券が必要な湖では必ず購入し、リリースが禁止されている湖ではリリースしない。それが、この素晴らしいフィールドを次の世代に残す唯一の方法です。
行き先が決まったら、各湖の詳しいポイント解説をどうぞ。バス釣りの基礎から学びたい方は、こちらの完全ガイドから。
