ビッグベイトと聞くと「値段が高い」「専用の硬いロッドが必要」「アクションが難しい」と身構えてしまう人が多いと思います。実際、私も最初はそうでした。ただ結論から言うと、選ぶルアーさえ間違えなければ、今持っているMH以上のロッドでそのまま始められます。私は山梨県在住で釣り歴20年以上、富士五湖を中心にバス釣りをしてきましたが、この記事ではこれからビッグベイトを始める方に向けて、扱いやすい5種類を辛口で紹介します。価格はすべて2026年7月時点の参考価格です。

そもそもビッグベイトという「種類」は存在しない
少しマニアックな話から入ります。実はルアーのカテゴリーとして「ビッグベイト」という分類は本来ありません。この記事で紹介するルアーのほとんどは、正確にはジョイントベイト(ボディが関節で繋がっているルアー)に分類されます。バスアングラーの間で、サイズが大きいものを指して「ビッグベイト」と呼び始めたのが定着した、というのが実際のところです。
なぜこの話をするかというと、「これはビッグベイトじゃない」という議論に意味がないからです。大事なのは呼び方ではなく、自分のロッドで投げられるかどうか。そこだけ見て選べば失敗しません。
初心者が最初に確認すべき2つのこと
- ロッドの適合ウェイト…ルアーの重さがロッドの適合範囲を超えると、キャスト時にロッドが折れる危険がある。パッケージの表記を必ず確認
- アクションの難易度…ただ巻きだけで泳ぐルアーと、ロッド操作が前提のルアーがある。最初は前者を選ぶ
初心者にもおすすめのビッグベイト5種
扱いやすさ順ではなく、定番度の高い順に紹介します。「まず1個」を探している方は、後半のカワシマイキーとジョインテッドクロー改148から読んでもらっても構いません。
① ガンクラフト ジョインテッドクロー改 148 — 初心者はこのサイズから
ビッグベイトの代名詞、通称「ジョイクロ」です。参考価格は4,700円前後。ただ巻くだけで独特のS字を描いて泳ぎ、スレたバスも騙せるほどの実力があります。ビッグベイトを愛用している人のタックルボックスを覗くと、だいたいジョイクロが入っています。
サイズは128・148・178・尺ONE(303mm)と展開されていますが、初心者にすすめたいのは148です。商品名は「ジョインテッドクロー改148」となっています。泳ぎの質は178に一歩譲りますが、それでも十分すぎるほど釣れますし、何より投げられるロッドの選択肢が広いです。40cm以上のバスを狙うなら128〜178の範囲で選べば間違いありません。
【使ってみての感想】バスが追ってきたのが見えたら、トゥイッチ(竿先を軽く上下させるアクション)を入れると食わせの間が作れます。この「追ってくるのが見える」のがビッグベイトの醍醐味です。辛口な点としては、1個5,000円近いのでロストのダメージが大きいこと。根掛かりしやすい場所ではまず投げないほうが精神衛生上いいです。
② ガンクラフト ジョインテッドクロー 尺ONE — 買う前に価格を確認してほしい
ジョイクロシリーズ最大の303mm・約252gというジャイアントベイトです。本気で60cmオーバーだけを狙う人向けで、それ以外のサイズはほとんど釣れません。裏を返せば、狙って大型だけを選別できるということでもあります。
【使ってみての感想】ここは価格の話を先にさせてください。旧バージョンのこの記事では「尺ONEにもなると1万円を超えてきます」と書いていましたが、2026年7月現在、新品の流通価格は3万円前後まで上がっています。中古やオークションでも1万5千円前後が相場です。当時の感覚で買いに行くと確実に面食らうので、事前に確認してください。
そして正直に言うと、普通にバス釣りをするなら尺ONEは必要ありません。252gという重量は専用のロッドとリールが前提ですし、一日投げ続けると体がもちません。「デカいのが投げたい」というロマンで買うと、ほぼ確実にタックルボックスの肥やしになります。これは初心者向けの記事なので、はっきり「まだ買わなくていい」と言っておきます。
③ ジャッカル ガンタレル — ブルーギル型の定番
ブルーギルをイメージしたビッグベイトで、ジョイクロに次ぐ人気機種です。参考価格は4,400円前後。ほとんどの釣具屋で見かけるので入手性も良好です。
【使ってみての感想】メーカーは「バスを睨みつけて威嚇させる効果がある」と説明していますが、正直そこは眉唾だと思っています。ルアーに睨まれて怒るバスの気持ちは私には分かりません。ただ泳がせているとバスがものすごい勢いで追ってくるのは間違いないので、理屈はどうあれ効くルアーであることは確かです。富士五湖のようにブルーギルが多いフィールドとは特に相性がいいと感じます。
④ ジャッカル チビタレル — ガンタレルの小型版、それでも重い
ガンタレルの小型バージョンで、130mmサイズです。参考価格は4,100円前後。「チビ」と付いていますが油断してはいけません。
【使ってみての感想】名前に反してそれなりに重量があるので、H以上のロッドを用意してください。「小型版だから今のロッドで大丈夫だろう」と考えると、ロッドを壊しかねません。この点は旧バージョンの記事でも触れていましたが、大事なので改めて強調しておきます。なお、ガンタレルシリーズにはジョイクロの尺ONEに相当する「ギガンタレル」という超大型もありますが、普通に使うならガンタレルかチビタレルで十分です。
⑤ ジャッカル 躱マイキー — 初心者に一番おすすめ
115mmとビッグベイトの中では小型で、参考価格も3,500円前後と今回の5種で最も安価です。旧記事では「カワシマイキー」と表記していましたが、正式名称は「躱マイキー」です。
【使ってみての感想】初心者に1個だけすすめるなら、私は迷わずこれを挙げます。理由は2つあります。ひとつは、専用の硬いロッドを用意しなくても投げられること。買ったその日から、今持っているタックルで使い始められます。
もうひとつは、アクションがシンプルなことです。ジョイクロやガンタレルはそれなりにロッド操作を要求してきますが、躱マイキーはクランクベイトと同じように、ただ巻きの中にストップ&ゴーを混ぜるだけで十分に仕事をします。「ビッグベイトのアクションは難しそう」と敬遠している人こそ、ここから入ってほしいです。サイズが小さいぶん、人によっては「これはビッグベイトとは呼べない」と言うかもしれませんが、冒頭に書いたとおりその議論には意味がありません。私は立派なビッグベイトだと思っています。
番外:レイドジャパン デカダッヂ — 正直、私は好きではない
羽根モノルアーの中では最大級の大きさです。参考価格は5,700円前後。
【使ってみての感想】この記事で唯一、私が個人的に好きではないルアーです。泳いでいるときの音がうるさく、バスが警戒してしまう場面が多いと感じています。ではなぜ紹介するのかというと、「こういうジャンルもあるんだ」ということを知ってほしいからです。そして公平を期すために言うと、夏の水面を意識しているバスに対しては、この音とアピール力が武器になります。季節を絞って使えば確実に強いルアーなので、私の好き嫌いだけで判断せず、夏に一度試してみてください。
ビッグベイト5種の比較表
2026年7月時点の参考価格です。価格は流通状況で変動するため、購入前に最新価格を確認してください。
| ルアー | サイズ | 参考価格 | 必要なロッド | 初心者向き |
| 躱マイキー | 115mm | 3,500円前後 | MH以上でOK | ◎ 最もおすすめ |
| ジョインテッドクロー改148 | 148mm | 4,700円前後 | MH以上でOK | ◎ 定番の入口 |
| チビタレル | 130mm | 4,100円前後 | H以上が必要 | ○ |
| ガンタレル | - | 4,400円前後 | H以上が必要 | ○ |
| デカダッヂ | - | 5,700円前後 | H以上が必要 | △ 夏限定 |
| ジョインテッドクロー尺ONE | 303mm | 30,000円前後 | 専用ロッド必須 | × まだ不要 |
初心者にもおすすめのビッグベイト5種 まとめ
「アクションが難しそう」「専用ロッドが必要そう」と敬遠している方への結論です。
- まず1個買うなら → ジャッカル 躱マイキー(3,500円・ただ巻きとストップ&ゴーだけでいい)
- 定番から入りたいなら → ジョインテッドクロー改148(4,700円・S字の魔力を体験できる)
- ギル型を試すなら → ガンタレル/チビタレル(H以上のロッドが必要)
- 夏の水面で遊ぶなら → デカダッヂ(好き嫌いは分かれる)
- 尺ONEは → まだ買わなくていい(3万円・252g)
躱マイキーかジョインテッドクローの148・128なら、みなさんが持っているMH以上のロッドで十分に使えます。特に躱マイキーは特殊なアクションが要らず、誰でもできるただ巻きとストップ&ゴーを繰り返すだけです。ビッグベイトは「上級者の道具」というイメージが先行しがちですが、追ってきたバスがルアーの後ろで反転する瞬間が見えるという体験は、ほかの釣りでは味わえません。まずは1個、投げてみてください。