「これを使えば釣れる」と評判のルアーは確かに存在します。ただ最初に大事なことを言っておくと、有名ルアーを買っただけで釣れるようにはなりません。ルアーに合ったアクション、季節とフィールドに合ったセレクト、この条件が噛み合ったときに初めて本領を発揮します。私は山梨県在住で釣り歴20年以上、富士五湖を中心にバス釣りをしてきましたが、この記事では実際に使い込んできた6種類を、良いところも「これは正直どうなの」という点も含めて辛口で紹介します。価格はすべて2026年7月時点の参考価格です。

ルアー選びで一番大事なのは「使う場所と時期」
ルアーには必ず得意な状況があります。冬の深いレンジを探るバイブレーションを、真夏の朝マヅメの水面が沸いている状況で投げても意味がありません。逆に言えば、状況さえ合っていれば数百円のルアーでも十分釣れます。この記事の6種類も「万能の当たりルアー」ではなく、それぞれ得意な場面が違うものを並べています。
フィールドによってバスの反応は変わる
もうひとつ覚えておいてほしいのが、バスにはフィールドごとの個体差があるということです。河口湖のようにプレッシャーの高いメジャーフィールドと、誰も入っていない野池では、同じルアーへの反応がまったく違います。有名ルアーは多くの人が使っているぶん、メジャーフィールドではバスが見慣れてしまっている、という皮肉な現象も起こります。この記事はあくまで出発点として使って、最終的には自分のフィールドに合う1個を見つけてください。
釣れると評判の人気ルアー6選
ルアーはリールと違って製品寿命が長く、10年以上定番であり続けるものも珍しくありません。ただ今回あらためて2026年7月時点の流通を確認したところ、モデルチェンジや入手性の変化があった機種もあったので、そこも正直に書いています。
① ジャッカル デラクー — 圧倒的な飛距離、ただし塗装は弱い
小さくて可愛らしい見た目のメタルバイブ系ルアーです。参考価格は900円前後と、この記事の中で最も安い部類。テールに付いたブレードが水中で回転してフラッシングと振動でバスを引き寄せます。
【使ってみての感想】このルアーの最大の武器は飛距離です。小さい野池で投げると対岸まで届いてしまうくらい飛ぶので、広いフィールドで沖のブレイクを探るような使い方に向いています。河口湖や山中湖のように岸から沖を狙いたい場面では特に頼りになります。辛口に言うと、塗装がとにかく弱いです。ボトムを叩いたりストラクチャーに当てたりすると、数回の釣行であっという間に塗装が剥げてボディがへこみます。ただ価格が安いので、消耗品と割り切って複数持っておくのが現実的な付き合い方だと思います。
② ダイワ 22TDバイブレーション — 冬の定番、2022年にリニューアル済み
バス釣りをしている人なら知らない人はいないレベルの定番バイブレーションです。参考価格は1,100円前後。水温が下がってバスが深いレンジに落ちる冬に特に重宝します。カラーバリエーションが非常に豊富で、濁った水で効く派手な色からクリアウォーター向けの地味な色まで揃っています。
【使ってみての感想】どこの釣具屋にも必ず置いてあるという入手性の良さも含めて、1つは持っておいて損のないルアーです。ひとつ注意点として、旧バージョンのこの記事では「82S」というサイズを紹介していましたが、TDバイブレーションは2022年にリニューアルされており、現行は63S・74Sといったサイズ展開になっています。昔の記事やレビューを見て型番で探すと混乱するので気をつけてください。
③ レイドジャパン レベルバイブ — 根掛かりしにくいのが最大の価値
同じバイブレーションでも、こちらは水中でルアーの頭側が立つような姿勢になる設計です。参考価格は1,700円前後。「レベルバイブブースト」という重めの派生モデルもあります。
【使ってみての感想】単純な釣果ならTDバイブレーションのほうが上だと思います。ではなぜこれを使うのかというと、根掛かりしにくく、ロストしにくいからです。ボトムを探る釣りは根掛かりとの戦いで、1個1,000円以上のルアーを次々失うと精神的にきついですし、回収作業で釣りの時間そのものが削られます。レベルバイブは根掛かりが少ないぶん手返しよく投げ続けられるので、1日トータルで見た釣果はTDバイブレーションと同等かそれ以上になることも多いです。投げた回数あたりの釣果ではTDバイブレーションに軍配が上がる、というのが正直な評価です。
④ ダイワ ピーナッツII — 安さは正義、ただしスレたバスには効かない
国民的クランクベイトと言っていい超定番です。参考価格は800円前後と、一般的なルアーの3分の1程度。潜行深度の違うSSR(0.5m)・SR(1.0m)・DR(1.5m)が基本で、現在はさらに深い2.0mを探れるDDRも追加されています。ひと回り大きい「デカピーナッツII」という兄弟モデルもあり、こちらのほうが店頭でよく見かけるかもしれません。
【使ってみての感想】投げて巻くだけで泳いでくれるので、クランクベイト入門にこれ以上の選択肢はありません。ただ辛口に言うと、ルアーを見慣れているバスが多い場所ではあまり通用しません。河口湖のようなメジャーフィールドで、これ一本で押し切るのは正直厳しいです。逆に、人があまり入っていない野池や無名の水路では、驚くほどあっさり食ってきます。「安いから数を持てる」「根掛かりしても諦めがつく」という点も含めて、開拓用のルアーとして優秀です。
⑤ ガンクラフト ジョインテッドクロー — S字の魔力、ただし価格は重い
ビッグベイトの代名詞的存在、通称「ジョイクロ」です。参考価格は178サイズで4,950円前後。ただ巻くだけで独特のS字を描いて泳ぎ、バスの捕食本能を刺激します。サイズは128・148・178・尺ONEがあり、一般的には148か178が使われます。
【使ってみての感想】S字に泳ぐ姿を見ているだけで楽しいルアーで、追ってきたバスがルアーの後ろで反転する瞬間が見えるのは、ビッグベイトならではの体験です。辛口な点をいくつか。まず1個5,000円近いので、根掛かりでロストしたときのダメージが大きいです。また尺ONEは30cm近い大きさで価格も倍以上しますが、普通にバス釣りをするなら必要ありません。大型一本狙いの特殊な釣りをする人向けです。そしてビッグベイトは投げるロッドとリールも相応のものが必要になるので、「ジョイクロを投げたいからタックルごと買い替える」という沼にハマる覚悟をしておいてください。
⑥ ヘドン ビッグバド — 名作、ただし2026年現在は入手が難しい
※2026年7月時点、ビッグバドは楽天市場・Amazonともに新品の流通がほとんど確認できませんでした。下記のとおり不定期生産のため、購入を検討する場合は入荷情報をこまめにチェックしてください。
空き缶のような奇抜な形状で、テールにブレードが付いたトップウォーター系のルアーです。バスが水面を意識しているときに使うルアーで、うるさめの音を出して広範囲にアピールします。ルアーの原型のひとつとも言える名作で、実釣性能は本物です。
【使ってみての感想】ここは正直に、旧バージョンの記事から評価を大きく書き換えます。旧記事では「どこのサイトを見てもあまり紹介されていない」「日本で使っている人をあまり見ない」と書いていましたが、実態は逆でした。調べたところ、ビッグバドは日本でだけ人気があり、日本でしか販売されていないルアーです。本国アメリカでは2015年に生産中止になっており、現在はスミス社がプラドコ社へ日本向けに特注した分だけが不定期に生産されています。
そのため入荷するたびにほぼ瞬殺で売り切れ、欠品期間が長いのが実情です。実際、2026年7月時点で楽天市場を確認しても新品はほとんど流通していませんでした。つまり「使っている人を見かけない」のは人気がないからではなく、そもそも買えないからだったわけです。見かけたら即確保、次にいつ手に入るか分からない——それがこのルアーとの付き合い方になります。以前の記述は誤解を招くものだったので訂正しておきます。
人気ルアー6種の比較表
2026年7月時点の参考価格です。価格・在庫は変動するため、購入前に最新情報を確認してください。
| ルアー | タイプ | 参考価格 | 得意な場面 |
| ジャッカル デラクー | メタルバイブ | 900円前後 | 広いフィールドの沖を探る |
| ダイワ 22TDバイブレーション | バイブレーション | 1,100円前後 | 冬の深いレンジ |
| レイドジャパン レベルバイブ | バイブレーション | 1,700円前後 | 根掛かりしやすい場所 |
| ダイワ ピーナッツII | クランクベイト | 800円前後 | 野池・開拓向け |
| ガンクラフト ジョインテッドクロー178 | ビッグベイト | 4,950円前後 | 大型狙い・S字系 |
| ヘドン ビッグバド | トップウォーター | 入手困難 | 水面を意識している時 |
釣れると評判の人気ルアー6選 まとめ
状況別の結論は次の通りです。
- まず1個買うなら → ダイワ ピーナッツII(800円。投げて巻くだけで泳ぐ)
- 冬の切り札 → ダイワ 22TDバイブレーション(定番。どこでも買える)
- 遠投で沖を探る → ジャッカル デラクー(飛距離は随一。塗装は消耗品)
- ロストが怖い場所で → レイドジャパン レベルバイブ(根掛かりしにくい)
- 大型を狙う → ガンクラフト ジョインテッドクロー(沼の入口)
- 見かけたら即買い → ヘドン ビッグバド(欠品期間が長い)
最後にもう一度だけ言っておきます。ルアーは魔法の道具ではありません。同じルアーでもカラーやアクション、そして何よりフィールドとの相性で結果が変わります。紹介した6種類のうち1つでもタックルボックスに入れておくと引き出しは増えますが、そこから先は自分の通うフィールドで試して、自分だけの当たりルアーを見つけていく作業になります。その過程こそがバス釣りの一番面白いところだと、20年やってきて思います。