シマノのベイトリール「スコーピオン」は、学生でもお小遣いを貯めて買えるという親しみやすいコンセプトで長年愛されてきた、不朽の名作シリーズです。手の届く価格帯でありながら、上位機種ゆずりの技術が惜しみなく投入されているのが最大の魅力。ただ、スコーピオンには「70」「MGL」「BFS」「DC」「MD」といった枝番がいくつもあり、いざ買おうとすると、どれを選べばいいのか分かりにくいという声をよく聞きます。
この記事では、山梨県在住・釣り歴20年以上の私が、スコーピオンシリーズの歴代モデルの位置づけと、目的別の選び方を整理します。先に結論をお伝えすると、これから新品で買うなら、パワー重視のスコーピオンMDか、飛距離とトラブルレスを両立したスコーピオンDC系が中心になります。

スコーピオンシリーズの全体像 — 枝番の意味を知ろう
まず、スコーピオンの枝番が何を表しているのかを整理しておきましょう。これが分かると、自分に必要なモデルがぐっと絞りやすくなります。
| 枝番 | 性格 | 向いている人 |
| 無印(70/71・200番など) | バーサタイル(何でもこなす標準機) | まず1台目に。オールラウンドに使いたい人 |
| MGL | 軽量スプールで軽いルアーも投げやすい | 取り回しの良さと飛距離を両立したい人 |
| BFS | ベイトフィネス専用。軽量ルアー特化 | 2〜5g程度の軽いルアーを太い糸で扱いたい人 |
| DC | デジタル制御ブレーキでバックラッシュに強い | 飛距離とトラブルレスを最優先したい人 |
| MD | 300番の大型・高剛性。パワー重視 | ビッグベイトや青物・大物と正面から戦いたい人 |
大まかに言えば、無印・MGLが「標準」、BFSが「軽量特化」、DCが「快適さ特化」、MDが「パワー特化」という位置づけです。それぞれ得意分野がはっきり分かれているので、自分の釣りに合うものを選ぶのがコツです。
これから新品で買うなら|現行の主力モデル
スコーピオンは長い歴史のなかで多くのモデルが登場してきましたが、古いモデルの一部はすでに新品での入手が難しくなっています。ここでは、2026年時点で新品が手に入りやすい主力モデルを中心に紹介します。
スコーピオンMD|パワーを求めるならこれ
300番サイズの大型ベイトリールで、シリーズのなかでもパワーと剛性を最重視したモデルです。たわみを抑えた高剛性ボディにより、大型魚との真っ向勝負でも巻き上げ力をしっかり伝えられます。ブラックバスはもちろん、青物や怪魚まで、大物と対峙する釣りで頼れる一台。ビッグベイトを投げたい人や、大きな魚がかかっても主導権を握りたい人に向いています。MGLスプールⅢを搭載し、大型リールながらキャスタビリティも確保されています。サイズは、よりパワーを求めるなら300番、バス釣り中心で扱いやすさも重視するなら200番と、狙う釣りに合わせて選べます。
スコーピオンDC・DC MD|飛距離とトラブルレスの両立
DCは、キャスト中のスプール回転を電子的に感知してブレーキ力を自動制御するデジタルコントロールブレーキを搭載したモデルです。最大の利点は、バックラッシュ(糸の絡み)を抑えながら飛距離を伸ばせること。ベイトリール初心者がつまずきやすい「バックラッシュ」の悩みを、テクノロジーで解決してくれます。現行のDCはMGLスプールや高性能なI-DC5ブレーキを搭載し、海水にも対応。バスだけでなくシーバスやロックフィッシュにも使える汎用性の高さが魅力です。
さらに上位には、アンタレスDC MD譲りのスプールを搭載したスコーピオンDC MDもあり、キャスト性能を一段と高めています。「とにかく気持ちよく、遠くまで、トラブルなく投げたい」という方は、DC系を検討する価値があります。
旧モデルを中古で探すときの注意
スコーピオンには、根強い人気を持つ旧モデルがいくつもあります。標準機の16スコーピオン70/71、軽量ルアー特化の17スコーピオンBFS、軽量スプールの19スコーピオンMGLなどです。これらは新品での流通が少なくなっており、中古市場(フリマアプリや中古釣具店)で探すことになる場合が多いです。
- 状態をよく確認する:ベイトリールは内部のギアやベアリングが消耗します。写真だけでなく、可能なら回転の状態を確認しましょう
- 年式・型番を正確に:同じ「スコーピオン」でも年式でブレーキやスプールが違います。目的に合うか確認を
- 相場を把握する:人気モデルは中古でも値が上がっていることがあります。新品の現行機と価格を比べてから判断しましょう
なお、「古いモデルのほうが優れている」という単純な話ではありません。現行のDCやMDには最新の技術が投入されているので、これから長く使うなら、まずは現行の主力モデルから検討するのがおすすめです。
目的別・スコーピオンの選び方まとめ
- 大物・ビッグベイトと戦いたい → スコーピオンMD(300番・高剛性)
- バックラッシュを避けて快適に投げたい → スコーピオンDC系
- 2〜5gの軽いルアーを扱いたい → スコーピオンBFS(中古中心)
- 1台でなんでもこなしたい → 無印・MGL系(中古中心)
どのモデルにも共通しているのは、価格以上の質感と性能を備えているという点です。シマノのHAGANEボディに代表される堅牢な作りは、スコーピオンが「不朽の名作」と呼ばれるゆえん。自分の釣りのスタイルに合った一台を選べば、長く付き合える相棒になってくれるはずです。
DCブレーキ搭載リールの比較や、ほかの高級リールも気になる方は、以下の記事もあわせてどうぞ。
シマノとダイワで迷っている方は、2大メーカーの違いをこちらで解説しています。



まとめ
スコーピオンシリーズは、枝番ごとに得意分野がはっきり分かれているのが特徴です。パワーならMD、快適さならDC、軽量ルアーならBFS、オールラウンドなら無印・MGL。これから新品で選ぶなら、現行の主力であるMDとDC系が中心になります。手の届く価格で本格的な性能を味わえるスコーピオンは、最初の一台にも、二台目のこだわりの一本にも、自信を持っておすすめできるシリーズです。