「ワカサギ釣り」と聞いて、凍った湖に穴を開けて糸を垂らす光景を思い浮かべる人は多いと思います。でも、あれができるのは北海道など一部の地域だけです。富士五湖は凍りません。
先に結論です。河口湖のワカサギは、暖房の効いた「ドーム船」に乗って釣るのが基本。解禁は10月1日で、乗船料とは別に遊漁料・遊漁税がかかります。そして意外な落とし穴が、漁協のドーム船は小学生以上しか乗れないという点です。

私は山梨に住んで20年以上、富士五湖には数えきれないほど通っています。河口湖のワカサギは家族連れにも本当におすすめできる釣りですが、事前に知らないと当日困るルールがいくつもあります。予約から当日の流れまで、順番に整理します。
河口湖のワカサギは「ドーム船」が基本
ドーム船というのは、湖上に浮かべた屋根付き・暖房付きの大型船のことです。船内の床に開いた穴から仕掛けを落として釣ります。氷に穴を開ける必要も、寒風にさらされる必要もありません。
河口湖漁協はワカサギの卵を毎年孵化・放流していて、富士五湖のなかでも魚影は濃いほうです。数釣りを楽しみたいなら河口湖か山中湖、というのが地元での定説になっています。

ドーム船まではボートで送迎してもらう形なので、湖岸に着いてから船に乗るまでの移動もあります。この送迎の時点からライフジャケットの着用が必要です。
シーズンと遊漁券|「4月15日まで」ではありません
河口湖のワカサギ解禁は10月1日です。ここは毎年変わりません。
問題は終わりのほうで、漁協の遊漁規制には「わかさぎについては10月1日より5月15日までの間で組合が提示する期間」と書かれています。つまり終期は年によって組合が決めるもので、固定の日付ではありません。ネット上には「4月15日まで」と断定している情報が今も残っていますが、鵜呑みにせず、その年の公示を確認してください。実際、直近シーズンは4月に入ってからも釣果が上がっています。
遊漁料と遊漁税は、ドーム船の乗船料とは別途必要です。高校生以上と中学生以下で額が分かれ、身体障害者の方の区分もあります。金額は改定されることがあるので、ここでは具体額を書きません。漁協の公式サイトで最新のものを確認してください。なお、かつてあった3ヶ月券(シーズン券)は総会の決議で廃止済みです。
- 遊漁券は湖畔の釣具店・ボート店・近隣コンビニ・漁協の自動販売機などで購入できる
- 自販機は新紙幣に対応済み
- 遊漁券は身体の見えやすい場所に掲示し、必ず携帯する
- 他人への貸与は禁止。紛失しても再発行はされない
また、河口湖は夜釣りが禁止です。遊漁時間は日の出1時間前から日没1時間後まで。漁協は警察と合同で夜間パトロールも実施していて、実際に注意を受けた釣り人が出ています。ドーム船の営業時間内に釣る分には関係ありませんが、ボートや岸釣りで粘りたくなったときは思い出してください。
ドーム船は9社ある|「2ヶ所だけ」は古い情報
これは私自身も驚いたのですが、ネット上には「河口湖でドーム船を借りられるのは2ヶ所しかない」と書かれた記事がいまだに散見されます。現在、河口湖漁協が公表しているドーム船の一覧は9社です。
- 漁協
- 浅間丸
- さかなや
- 湖波
- 奥河口湖マリン
- 河口湖ボートマーケット
- ポワル
- 三七のドーム船
- さざなみ
それぞれ料金体系・出船時間・貸し竿の内容が違います。連絡先は変更されることがあるため、この記事には電話番号を載せていません。河口湖漁業協同組合の公式サイトに一覧が掲載されているので、そちらから確認してください。
ひとつ注意点があります。漁協が「なりすましサイト」の存在を告知しています。検索から入ると、公式に似せた別のサイトに誘導されることがあるようです。予約前に、開いたページが本当に漁協の公式かどうか確かめてください。
予約|電話のみ、前月1日から
漁協のドーム船は電話予約のみです。ネット予約はありません。受付開始は乗船する月の前月1日からで、シーズン中の土日は早い者勝ちになります。
予約時に伝えるのは、フルネーム・お住まいの都道府県・希望日・人数・貸し竿の有無・携帯番号・乗船時間です。キャンセルや人数変更は3日前までに連絡してください。
- 毎週木曜が定休(祝日の場合は別日に振替)
- 12月31日〜1月4日は休み
- 強風などの悪天候時は当日中止や早上がりになることがある
【重要】未就学児は乗れません
家族向けの記事でいちばん抜けやすいのがここです。漁協のドーム船に乗船できるのは小学生以上と定められています。未就学のお子さんを連れての乗船はできません。
「家族で手ぶらでワカサギ釣り」という紹介のされ方をよく見かけますが、下の子がまだ小さいご家庭は、予約の前に必ず年齢条件を確認してください。船によって扱いが異なる可能性もあるので、利用する船に直接聞くのが確実です。
乗船するお子さんについては、保護者が責任を持って一緒に行動することが求められます。船外のデッキでの釣りは危険なので控えてください。
当日の流れ
| 午前7時ごろ | 受付・送迎ボートでドーム船へ。この時点からライフジャケット着用 |
| 午前中 | 朝いちばんが最も釣れる時間帯。手返し重視で数を稼ぐ |
| 日中 | 群れが落ち着く時間帯。棚を探り直す |
| 午後2時30分ごろ | 終了・帰港 |
支払いは船内での清算になります。現金のみで、クレジットカードや電子マネーは使えません。ここも当日に慌てやすいポイントです。
駐車場は台数に限りがあります。複数人で予約するときは、可能なかぎり乗り合わせで来場してほしいと漁協からもお願いが出ています。
道具|手ぶらでも行けます。持ち込むなら短竿
竿・リール・仕掛け・エサがセットになった貸し竿があります。手巻きリールと電動リールの2種類があり、電動は数に限りがあるので予約時に押さえておくと安心です。

自分の道具を持ち込むこともできます。ただしドーム船は室内なので、竿の長さは50cm以下が扱いやすいとされています。長い竿は隣の人に当たりますし、船内で取り回しが効きません。
そして見落としがちなのが竿の本数制限です。通常はひとり2本まで使えますが、1月1日から2月28日までは1本のみになります。これは河口湖のすべてのドーム船に適用される取り決めで、資源を長く維持するためのものです。最盛期に「2本出せると思っていたのに」とならないよう、頭に入れておいてください。
仕掛けとエサ
ワカサギは胴付き仕掛けで釣ります。河口湖漁協の遊漁規制では「わかさぎ以外の胴付針仕掛」が禁止されているので、逆にいえばワカサギ釣りに限って胴付きが認められているという構造です。他の魚を狙うときに同じ仕掛けを流用しないでください。
エサは紅サシが定番で、船内でも販売されています。仕掛けも船内で買えるので、根がかりで失っても現地調達できます。予備はひとつ持っておくと安心です。

なお、まき餌はフナ・コイ以外では禁止されています。ワカサギ釣りでまき餌を使うことはできません。
やってしまいがちな失敗
- アルコールを持ち込む:ドーム船内への酒類の持ち込み・飲酒は禁止です
- カードで払おうとする:現金のみ。船内清算です
- 遊漁券を買い忘れる:乗船料とは別物です。釣りを始める前に必要です
- 船内で喫煙する:船内は禁煙。喫煙はデッキなど所定の場所で
- 長い竿を持っていく:室内では扱えません
まとめ
河口湖のワカサギは、道具がなくても、経験がなくても釣れる釣りです。暖房の効いた船で、朝から昼過ぎまで穏やかに竿を出す。冬の富士五湖の楽しみ方として、私はこれ以上のものを知りません。
ただし、確認しておくべきことが3つあります。乗船できる年齢、竿の本数制限の期間、そして遊漁料が別途必要だということ。この3つを押さえておけば、当日困ることはまずありません。
シーズンは混み合います。行くと決めたら、前月1日を待って早めに電話してください。
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