「千本浜で釣りはできるの?」「海水浴場って今もやっているの?」——沼津の千本浜について調べている方に、先に結論をお伝えします。釣りは今も行われています。ただし海水浴場としては、2026年は開設されませんでした。沼津市が「急深で危険」として、遊泳を控えるよう呼びかけています。
私は山梨県在住で釣り歴20年以上、沼津エリアの海にも通ってきました。この記事では、千本浜の今の状況と、釣り場としての顔、そして砂浜では見落とされがちな危険生物について整理します。
【2026年】千本浜海水浴場は開設されませんでした
まず、海水浴を目的に調べている方へ。沼津市は2026年7月31日、千本浜海水浴場を開設しないと発表しました。新型コロナの時期を除けば初めてのことです。
理由は地形です。千本浜は波打ち際からいきなり深くなる「急深(きゅうしん)」の海岸で、波や潮の流れでその傾斜がさらに進んでいるとされています。訪れた人が「海に入ったらストンと落ちる」と表現するほどで、市は安全を確保できないと判断しました。
現地には看板が設置され、市は「監視員・ライフセーバーがいない中での遊泳は大変危険」として、泳ぐのを控えるよう呼びかけています。ネット上には「千本浜海水浴場は7月中旬〜8月下旬に開設」という古い案内が残っていますが、その情報は現在当てはまりません。
そして、この「急深」という性質は、釣り人にとっても他人事ではありません。後半の安全の項で詳しく書きます。
千本浜で釣りはできる?——できます
釣りについては、千本浜で釣りを禁止するという告知は確認できませんでした。実際、地元の釣具店や釣り場情報サイトは千本浜海岸を現役のサーフとして紹介していて、釣果の報告も続いています。
ただし駐車場には時間の制限があります。また、海水浴場として開設されていないということは、監視する人が誰もいないということでもあります。自己責任の度合いは、管理された釣り施設とは比べものになりません。
| 所在地 | 静岡県沼津市千本(千本浜公園・千本松原一帯) |
| 地形 | 玉石(ゴロタ)まじりの急深サーフ。岸近くで水深3mほど、沖35mほどで5m超 |
| 駐車場 | 千本浜公園の駐車場。21時〜翌6時は閉鎖されるため、夜釣りや朝マヅメは時間に注意 |
| トイレ | 公園内にあり |
| アクセス | JR沼津駅南口からバスで約10分(千本浜公園・千本浜入口方面)/車は東名沼津ICから約20分 |
| 向いている釣り | ショアジギング、カゴ釣り、投げ釣り、エギング |
| 向かない釣り | サビキ、穴釣り(足場と地形が合いません) |
初心者がサビキで小アジを釣って楽しむような場所ではありません。そういう釣りがしたいなら、同じ沼津市内の沼津港へ行ったほうが確実です。千本浜は、ある程度投げられる人が、広い駿河湾に向かって大きめの魚を狙う場所だと考えてください。
千本浜で狙える魚と釣り方
千本浜のいちばんの特徴は、岸からすぐに水深があることです。遠投しなくても深場を直接狙えるので、サーフでありながら青物のような回遊魚にも手が届きます。
青物(ショアジギング)
夏から秋がメインです。イナダ・ソウダガツオといった小型の青物が中心で、年によってはカンパチが混じることもあります。朝マヅメがもっとも期待できる時間帯なので、駐車場が開く6時に合わせて入るのが基本の動きになります。
シロギス(投げ釣り)
夏の定番です。砂と小石が混じる底で、そこまで遠投しなくても拾えます。ちょい投げの距離でも十分に釣果が出るので、サーフの投げ釣り入門には向いています。
タチウオ・ヒラメ・マゴチ
タチウオは秋から冬。急深で深場が近いぶん、岸から狙いやすい海岸です。砂地にはヒラメやマゴチも入ります。
カゴ釣り・エギング
遠投カゴ釣りでマダイやイサキを狙う人もいます。また秋にはアオリイカを狙ったエギングも成立します。
朝マヅメを狙うなら沼津に前泊
千本浜の青物は朝いちばんが勝負です。駐車場は夜間に閉まるので、遠方からなら沼津・三島に前泊しておくと、開場と同時に浜へ入れます。
千本浜で気をつけたい危険生物
砂浜だから安全、ということはありません。千本浜を含む沼津の海岸には、触ると危ない生き物がいます。釣れてしまったときに素手で掴まないことが何より大事です。
ハオコゼ

背びれのトゲに毒があります。釣りをしているとかなりの頻度で掛かる相手で、刺されると患部が腫れて強い痛みが出ます。命に関わることはまれですが、痛みは相当なものです。刺された場合は、傷口を洗い、医療機関を受診してください。
ミノカサゴ

ヒレが長く伸びた、見るからに派手な魚です。きれいなので触りたくなりますが、背びれに毒があります。刺されると激痛が走ります。応急処置をしたうえで、早めに医療機関を受診してください。
キタマクラ

カワハギによく似ていて、慣れていないと見分けがつきません。しかしフグの仲間で、皮膚にもテトロドトキシンを持っています。間違えて持ち帰らないでください。そもそもフグの仲間をさばくには資格が必要です。名前は「北枕」から来ています。
スベスベマンジュウガニ

丸くてつるりとした、かわいらしいカニです。しかし猛毒を持っていて、食べると命に関わります。加熱しても毒は消えません。見つけても持ち帰らないでください。
そのほか
砂地ではアカエイに注意が必要です。尾の付け根に毒のトゲがあり、踏んだり不用意に扱ったりすると刺されます。また、猛毒を持つヒョウモンダコは生息域が北へ広がっているとされ、静岡県内でも自治体が注意を呼びかけています。見慣れない生き物には手を出さない——これが一番の対策です。
なお、インターネット上には千本浜の危険生物としてオニダルマオコゼを挙げている情報もありますが、この魚の国内の分布は八丈島・小笠原や南西諸島が中心で、駿河湾での記録は確認できませんでした。当サイトでは、裏の取れない情報は書きません。
安全のために——「急深」は釣り人にも危ない
市が海水浴場の開設をやめた理由である「急深」は、釣りをする人にとっても同じ危険です。
- 水に立ち込まないでください。一歩で足がつかなくなる場所があります
- 波打ち際ぎりぎりに立たない。足元の玉石は波でくずれます。濡れた石は滑ります
- ライフジャケットを着用してください。監視員がいない海岸です。誰も見ていません
- 波が高い日は釣りをしない。駿河湾はうねりが入ると一気に危険になります
- 一人での夜釣りは避ける。駐車場も21時に閉まります
千本浜は柵も監視員もない急深の海岸です。ライフジャケットは「あると安心」ではなく、ここでは前提の装備だと考えてください。腰に巻くベルトタイプなら投げ釣りでもしゃくる釣りでも邪魔になりません。「桜マーク」(国土交通省の型式承認)付きを目安に選ぶと間違いがありません。
海の事故は「118番」です。
沼津で他に竿を出せる場所
千本浜が合わない日、あるいは家族で手軽に釣りたい日の選択肢も挙げておきます。
同じ沼津市内なら沼津港。サビキでアジやイワシを狙うなら、こちらのほうが向いています。

すぐ東隣の静浦漁港は、現在すべて釣り禁止・立入禁止です。古い情報を見て行かないようにしてください。

西の田子の浦港も、釣り禁止エリアと釣り可エリアが分かれています。

柵があって安心な場所がいいなら、清水港に2026年4月に開園した海づり公園があります。

まとめ|泳ぐ浜ではなくなった。でも釣り場としては生きている
千本浜は、2026年に海水浴場としての開設が見送られました。急深が進み、安全を確保できないという市の判断です。一方で釣り場としては今も生きていて、岸からすぐ深いという地形を活かして、シロギスから青物まで狙えます。
押さえるべきは3点です。①泳がない——市が控えるよう呼びかけています/②立ち込まない、ライフジャケットを着る/③釣れた生き物を素手で掴まない。この3つを守れば、富士山と松林を背にした気持ちのいいサーフで、駿河湾の魚と向き合えます。
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季節ごとに何が釣れるかはこちらにまとめてあります。
