「伊豆に釣りに行きたい」「ネットで見た穴場に行ってみたい」と考えている方に、先に大事なことをお伝えしておきます。伊豆、とくに熱海から伊東にかけての東伊豆エリアは、ここ数年で釣りができる堤防が一気に減りました。かつて「爆釣ポイント」「穴場」として紹介されていた場所の多くが、2024年から2025年にかけて次々と立入禁止・釣り禁止になっています。
ネット上には、そうした「今はもう入れない場所」を穴場として紹介したままの古い情報がたくさん残っています。それを真に受けて現地まで行くと、バリケードと立入禁止の看板の前で立ち尽くすことになりかねません。この記事では、私が釣り歴20年以上・静岡の海に通ってきた経験をふまえ、2026年時点で実際に釣りができる熱海〜伊東の堤防と、もう行けなくなってしまった名所を、正直にお伝えします。
結論を先に言うと、家族連れなら「川奈港・いるか浜堤防」、エギングや根魚を楽しみたいなら「伊豆多賀港」、本格的に青物や大物を狙うなら「南熱海マリンホール裏」。伊東市内で磯寄りの釣りをしたいなら「ハトヤ裏」、ちょい投げやサビキで手軽に遊ぶなら「伊東港の赤灯堤防」。この5か所が現状の選択肢です。ただし、どこも昔ながらの「なんでもアリ」の釣り場ではなくなっているので、ルールの確認は必須です。
一方で、明るい話題もあります。2016年から立入禁止が続いていた熱海の網代漁港が、予約制で釣り人を受け入れ始めました。こちらも後半で詳しく紹介します。

2026年現在、今も釣りができる熱海〜伊東の堤防5選
① 川奈港・いるか浜堤防(伊東市)|家族連れならまずここ
いるか浜堤防は、2026年8月時点で釣り禁止にはなっていません。ただし同じ川奈港でも白灯堤防(漁港側)は全面立入禁止で、さらに毎年4月1日〜9月30日はアオリイカ釣りが禁止されています。「川奈港ならどこでもよい」ではない点に注意してください。
| 釣れる魚 | アジ・イワシ・小サバ(サビキ)、メジナ・クロダイ・ウミタナゴ(ウキ)、ソウダガツオ・イナダなどの青物(夏〜秋) |
| 釣り方 | サビキ、ウキ釣り、ちょい投げ、カゴ釣り、ショアジギング |
| 駐車場 | いるか浜駐車場。夏季(海水浴シーズン)は有料1,000円/日、それ以外は基本無料 |
| トイレ | あり(海水浴場併設) |
| アクセス | 伊豆急行線・川奈駅より徒歩約15分/車は国道135号を南下、伊東港を過ぎてすぐの分岐を左 |
いるか浜堤防は完成してから比較的新しい堤防で、上のスペースが広くベンチや手すりも整っています。海水浴場に隣接していて足場もよく、東伊豆のなかではもっともファミリー向きの釣り場です。初夏からはサビキでアジ・イワシ・小サバが数釣りでき、ウキ釣りではメジナやクロダイ、夏から秋にはソウダガツオやイナダといった青物も回ってきます。
注意点が二つあります。ひとつは、川奈港の白灯堤防(漁港側)は全面立入禁止になっています。釣りができるのは、いるか浜堤防とその周辺だけです。漁港内には関係者以外立入禁止の標識が増えているので、看板のある場所には絶対に入らないでください。もうひとつは、毎年4月1日〜9月30日は、川奈港全域でアオリイカ釣りが禁止されている点です。この期間にエギングをすると規則違反になります。イカを狙うなら10月以降にしてください。
② 伊豆多賀港(熱海市)|エギングと根魚の穴場的存在
伊豆多賀港は、2026年8月時点で全面的な釣り禁止にはなっていません。ただし港内には「関係者以外立入禁止」の看板が立つエリアがあり、竿を出せる場所と出せない場所が混在しています。判断の基準は現地の看板です。
| 釣れる魚 | アオリイカ(エギング)、クロダイ、カサゴ・メバルなどの根魚 |
| 釣り方 | エギング、フカセ釣り、探り釣り |
| 駐車場 | 専用駐車場なし。隣接する長浜海水浴場の駐車場を利用し徒歩 |
| トイレ | 国道を渡った公園内にあり |
| アクセス | JR伊東線・伊豆多賀駅より徒歩約10分/車は熱海から国道135号を南下、最初に見える港 |
地図看板では「戸又港(とまたこう)」と表記されていることもある小さな漁港です。熱海から国道135号を南下して最初に現れる港で、海を見ながら走るとすぐにわかります。ランガンでエギングをする人が多く、アオリイカの実績があります。港内の小さな堤防はクロダイの実績も高く、テトラ周りではカサゴやメバルといった根魚も楽しめます。
ここで気をつけたいのは、港内に「関係者以外立入禁止」の看板があるエリアと、釣りができるエリアが混在していることです。どこでも竿を出していいわけではないので、看板を必ず確認してください。また専用駐車場がないため、隣の長浜海水浴場の駐車場に停めて歩くことになります。足元にテトラが入っている場所は初心者には危険なので、無理をせず足場の安定した場所を選びましょう。
③ 南熱海マリンホール裏(熱海市)|青物・大物狙いの実力派
南熱海マリンホール裏(小山臨海公園)は、2026年8月時点で釣り禁止にはなっていません。公園の埋立地を囲む石積み護岸とテトラ帯が釣り座になります。ただし足場は良くないので、装備と天候の判断は慎重に。
| 釣れる魚 | シロギス(投げ)、イナダ・ソウダガツオなどの青物・マダイ・メジナ(カゴ)、クロダイ・根魚 |
| 釣り方 | 投げ釣り、カゴ釣り、ショアジギングなどのルアー |
| 駐車場 | あり(小山臨海公園の駐車場) |
| トイレ | あり |
| アクセス | JR伊東線・網代駅より徒歩約10分/車は国道135号沿い、下多賀の消防署を左折し道なり |
正式には小山臨海公園という公園の一角ですが、釣り人の間では「マリンホール裏」と呼ばれています。網代湾の最奥に位置していて波風に強く、荒れにくいのが特徴です。公園の埋立地を囲むように石積みの護岸とテトラ帯が続いていて、その一帯が釣り座になります。投げ釣りではシロギス、カゴ釣りではイナダやソウダガツオといった青物、マダイやメジナが狙え、夏から秋の青物シーズンにはショアジギングでも実績があります。駐車場とトイレが整っているのもありがたいところです。
ただし足場は石積みとテトラ帯で、決してよくはありません。小さなお子さん連れのファミリーには向きません。ある程度長い竿を使ったほうが釣りやすく、沖に定置網が入っていることがあるので、遠投する際は網に掛けないよう注意してください。
④ ハトヤ裏(伊東市)|伊東で磯寄りの釣りを楽しむならここ
ハトヤ裏のテトラ帯は、2026年9月時点で釣り禁止の情報は確認されていません。ただし隣接するマリーナの堤防は釣り禁止です。釣りができるのはテトラ帯側だけなので、場所を取り違えないようにしてください。
| 釣れる魚 | メジナ・クロダイ・イシダイ・アオリイカ(通年)、春はマダイ・アジ、夏〜秋はソウダガツオ・イナダなどの青物、冬はクロダイ |
| 釣り方 | ウキフカセ、エギング、探り釣り、ルアー |
| 駐車場 | 潮騒広場の無料駐車場(台数は少なめ)。隣接する道の駅 伊東マリンタウンも利用可 |
| トイレ | あり(潮騒広場) |
| アクセス | 国道135号沿い、ホテルサンハトヤの裏手。伊東マリンタウンのすぐ北 |
ホテルサンハトヤの裏手、国道135号沿いに続くテトラ帯です。水深はおおむね4〜14mほどで底は岩礁。根魚やメジナの魚影が濃く、秋にはアオリイカ、夏から秋には青物の回遊もあります。伊東港の堤防が大きく縮小した今、伊東市内で本格的に竿を出せる数少ない場所になっています。
いちばんの注意点は足場です。堤防とテトラ帯の高低差が大きく、昇り降りできる場所も限られます。テトラの上での釣りになるので、小さなお子さん連れや初心者には向きません。ライフジャケットと滑りにくい靴は必須、波がある日は無理をしないでください。
⑤ 伊東港・赤灯堤防(伊東市)|付け根から中程までなら竿を出せる
伊東港は「全面禁止」ではありません。多くの堤防が立入禁止になった一方で、赤灯堤防の付け根から中程までは、2025年夏の時点で地元釣具店が釣りのできる範囲として案内しています。ただし赤灯堤防の先端は立入禁止です。
| 釣れる魚 | アジ・イワシ(サビキ)、シロギス(ちょい投げ)、クロダイ、カマス(秋〜冬)、根魚 |
| 釣り方 | サビキ、ちょい投げ、ウキ釣り |
| 駐車場 | 赤灯堤防の付け根に無料駐車場あり。夜間から早朝の入出庫は不可。満車時は近くの有料駐車場を利用 |
| トイレ | あり(港周辺) |
| アクセス | JR伊東駅から徒歩圏/車は国道135号から伊東市街地へ |
かつての伊東港は、サビキから投げ、カゴ、穴釣りまで何でもできる伊豆最大級の漁港でした。今は釣りのできる範囲が赤灯堤防の一部に絞られていますが、足場は良く水深もあるので、ちょい投げやサビキで気軽に遊ぶには十分な場所です。
気をつけたいのは三つです。まず立入禁止の場所。新井堤防、白灯台堤防、赤灯堤防の先端、観光船が発着する岸壁、魚市場前の小堤防には入れません。次に駐車場の時間。無料駐車場は夜間から早朝に出し入れできないので、朝マヅメを狙うなら停める場所を先に決めておいてください。最後にイベントの日。夏の按針祭の期間や花火大会の日は、駐車場が使えず赤灯堤防にも入れなくなります。出かける前に伊東市観光協会の行事予定を確認しておくと安心です。

東伊豆の主な港|釣り禁止の可否 早見表
「あの港は今も釣りができるのか」を先に確認したい方のために、本文で取り上げる7か所の可否をまとめておきます。いずれも2026年9月時点で確認できた情報をもとにしています。
| 港・堤防 | 釣りの可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 川奈港・いるか浜堤防 (伊東市) | ◯ 釣りができる | 白灯堤防(漁港側)は全面立入禁止。4月1日〜9月30日はアオリイカ釣りが禁止 |
| 伊豆多賀港 (熱海市) | △ 一部でできる | 「関係者以外立入禁止」のエリアと釣りができるエリアが混在。看板の確認が必須 |
| 南熱海マリンホール裏 (熱海市) | ◯ 釣りができる | 小山臨海公園の一角。駐車場・トイレあり。足場は石積みとテトラ帯 |
| ハトヤ裏 (伊東市) | ◯ 釣りができる | テトラ帯のみ。隣のマリーナの堤防は釣り禁止。足場が悪く中〜上級者向け |
| 伊東港 (伊東市) | △ 一部でできる | 赤灯堤防の付け根〜中程のみ。新井堤防・白灯台堤防・赤灯堤防の先端などは立入禁止 |
| 網代漁港 (熱海市) | △ 予約制で開放日のみ | 北防波堤の内側の指定エリア。開放は不定期で、専用アプリでの事前予約が必須 |
| 下多賀港 (熱海市) | △ 要注意 | 2024年に釣り禁止の看板が設置。対象範囲は現地の表示で必ず確認 |
規制は予告なく変わります。この表はあくまで出発点として使い、最終的な判断は現地の看板と、漁協・自治体の最新の掲示に従ってください。
【要注意】かつての名所が、釣り禁止になっています
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。ネットで「伊豆の穴場」を調べると必ず出てくる有名ポイントのうち、釣りのできる範囲が大きく縮んだ場所や、釣り禁止の看板が立った場所があります。古い記事を見て現地に行くと入れないことがあるので、事前に知っておいてください。
伊東港|白灯台堤防・新井堤防は立入禁止のまま
伊東港でかつて釣り人がもっとも集まっていたのは、白灯台堤防と新井堤防でした。2024年春以降、この二つは立入禁止になっていて、規制線と「関係者以外立入禁止」の掲示があります。開放の時期は決まっていません。ネットに残っている「伊東港の白灯台で青物が釣れる」といった情報は、現在は当てはまらないと考えてください。
一方で、上で紹介したとおり赤灯堤防の付け根から中程までは今も竿を出せます。「伊東港は全部ダメ」と決めつけて素通りする必要はありません。禁止の範囲と釣りのできる範囲を分けて覚えておいてください。
下多賀港|2024年に釣り禁止の看板が設置
下多賀港は、大型のクロダイやアオリイカが釣れることで知られた、こぢんまりした人気ポイントでした。しかし2024年に釣り禁止の看板が設置されています。その後も港の一部で竿を出している人の記録は見られますが、看板がどの範囲を対象にしているのかは公的な告知で確認できませんでした。現地では看板の表示に従い、禁止と書かれた場所には入らないでください。「穴場」として紹介している古い情報をそのまま信じないことが大切です。
なぜこうした禁止が急速に進んだのか。背景には、ゴミの放置、漁業関係者の駐車スペースへの無断駐車、立入禁止エリアへの侵入といった、一部の釣り人によるマナー違反の積み重ねがあります。釣り場を残すためにも、今行ける場所では最低限のルール——ゴミは必ず持ち帰る、関係者の車や作業の邪魔をしない、看板の指示に従う——を守ることが、これまで以上に大切になっています。
【2026年の新しい動き】網代漁港が予約制で釣り人を受け入れ始めた
禁止が増える話ばかりではありません。熱海市の網代漁港で、いったん閉じられた釣り場が、形を変えて戻ってきています。
網代港での釣りは長いあいだ黙認されていましたが、路上駐車やゴミの放置が重なり、2016年に立入禁止が徹底されました。その後、水産庁が漁港を観光やレジャーに活かす「海業(うみぎょう)」を後押しするようになり、いとう漁協網代支所が動きます。2025年11月、予約制の「釣り利用トライアル」として約10年ぶりに釣り人を受け入れ、初回は枠が完売しました。その後も2026年に入って複数回開かれています。
| 場所 | 網代漁港 北防波堤の内側(指定エリア) |
| 開放日 | 不定期(トライアルとして開催)。日程はアプリで告知 |
| 予約 | スマートフォンアプリ「UMIGO(海釣りGO)」からの事前予約・事前決済のみ。当日の飛び込みは不可 |
| 利用時間 | 午前・午後の入れ替え制。各回の定員は少人数 |
| 主なルール | 釣りは岸から10m以内/ライフジャケット着用必須/遠投カゴ釣り・ヤエン・泳がせ釣り・引っ掛け釣りは禁止/ゴミは持ち帰り |
| 持ち帰れないもの | イセエビ・アワビ・サザエ・ナマコ・ウニ・タコ・クロマグロなど。イカ類は4月1日〜9月30日は禁止 |
料金を払って予約する形なので、昔のように「行けばいつでも釣れる」場所ではありません。それでも、ルールを守る釣り人に限って漁港を開くという仕組みは、釣り場が消えていく流れに対するひとつの答えです。初回のトライアルではアカハタ・カサゴ・メジナ・カワハギなどが釣れています。
ここで結果を出せるかどうかは、利用する釣り人の振る舞いにかかっています。開放日に行く機会があれば、決められたエリアとルールを守り、次の開放につなげてください。開放日以外に網代漁港へ立ち入ることはできません。
伊豆に釣りに行く前に、必ず確認してほしいこと
- 現地の看板が最優先:ネットの情報より、その日その場所の看板・掲示が絶対です。立入禁止・釣り禁止の表示があれば必ず従ってください
- 漁協・自治体の最新情報を確認:伊東エリアはいとう漁業協同組合が釣りのルールを公開しています。規制は年々変わります
- 4月1日〜9月30日はイカ釣りに注意:伊東市では、市が指定する海面でこの期間のイカ類の採捕が禁止されています。漁業者かどうかを問わず全員が対象で、川奈港や伊東港も含まれます。イカを狙わない釣りは問題ありません
- イセエビ・アワビ・サザエ・ナマコは持ち帰れない:これらは漁業権の対象で、釣り人がとると漁業権の侵害になります。伊東市は罰則として「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」などを示しています。穴釣りでイセエビが掛かっても、その場で海に返してください
- 静岡県の遊漁ルール:県は、釣り人が使える道具を竿釣りや手釣りなどに限っています。あわび・なまこ・うなぎの稚魚は採捕禁止、いせえびは5月15日〜9月15日が禁漁で、13cm以下のものはとれません
- ライフジャケットの着用:堤防でも転落事故は起きます。とくにテトラ帯は必ず着用を
- 不安なら有料施設という選択も:熱海港海釣り施設のように、柵とトイレが整い、料金を払って安全に釣りができる場所もあります。初めての方や子連れにはこちらが安心です
▼熱海で柵・トイレ・レンタル竿がそろう有料の海釣り施設については、こちらのガイドで詳しくまとめています。初めての方や子連れにはとくにおすすめです。

朝夕を狙うなら熱海・伊東に泊まる
堤防は朝マヅメと夕マヅメが本命の時間帯です。熱海・伊東は宿の選択肢が多く、前泊・後泊のどちらでも動きやすいエリアです。
まとめ|「今行ける場所」を大切に釣ろう
伊豆は今も魅力的な釣り場がたくさんある一方で、「昔は穴場だった場所」が次々と釣り禁止になっている、変化の激しいエリアでもあります。2026年時点で熱海〜伊東で釣りができるのは、家族連れなら川奈港・いるか浜堤防、エギングや根魚なら伊豆多賀港、青物や大物なら南熱海マリンホール裏、伊東市内で磯寄りの釣りならハトヤ裏、手軽なちょい投げやサビキなら伊東港の赤灯堤防。まずはこの5か所から選んでみてください。
また、網代漁港のようにルールを守る釣り人に向けて、閉じた釣り場を開き直す動きも始まっています。禁止になった場所が戻ってくるかどうかは、私たち釣り人の振る舞い次第です。
そして何より、今釣りができる場所を、次の世代にも残していけるように。ゴミを持ち帰り、看板を守り、地元の方への配慮を忘れずに——それが、伊豆で長く釣りを楽しむための一番の「攻略法」だと思います。
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